先日、子どもを連れて花火大会に行ってきました。
夏になると毎年恒例の、我が家のお出かけです。
カメラマンとして普段から使っている知識ですが、実はこれ、スマホでの花火撮影にもそのまま応用できます。
それは、夜空をキレイに撮るコツは「明るくする」ことではなく、実は「暗くする」こと。
あえて中規模の花火大会を選ぶ理由
花火大会というと、1万発を超える大規模なものに憧れる方も多いと思います。
でも僕は、基本的に人混みがあまり好きではありません。
だから選ぶのは、いつも5000発前後の中規模の花火大会です。
中規模の花火大会なら、時間に余裕を持って行けば、場所取りもそこまで熾烈になりません。
子どもとのんびり過ごせるのが、何よりの魅力です。
そして、のんびりできるということは、もうひとつ余裕が生まれます。
スマホで写真や動画を撮ってみようか、という気持ちの余裕です。
子どもの手を引きながらでも、片手でサッと撮れるのがスマホの良いところ。
今日は、そんな流れで気づいた、スマホで花火をキレイに撮るコツをお伝えします。
夜の風景が、なぜかぼんやり写ってしまう理由
あなたは、こんな経験はありませんか。
夜景や夜空を撮ったのに、なぜかぼやっとした、色の薄い写真になってしまう。
人が写っている写真であれば、顔がきちんと見える明るさのほうが良いです。
でも、夜景や夜空、そして花火大会のような風景の場合は事情が違います。
仕上がりが、肉眼で見たときよりもぼんやりしたものになりがちなのです。
これには、はっきりした理由があります。
背景となる夜空や町並みの色が、黒に近いから。
スマホのカメラは、画面が黒っぽいと「光が足りていない」と判断します。
そして、自動でその場を明るくしようと調整をかけてしまうのです。
結果として、夜の風景を無理やり明るくしようとして、ぼやっとした画像が残ってしまいます。
これは、スマホのカメラが「親切すぎる」ことで起きる現象とも言えます。
本来、真っ暗な夜空は真っ暗に写ってこそ自然です。
ところがカメラは、暗い場所を「撮影に失敗した写真」だと勘違いしてしまう。
だから、良かれと思って明るさを補おうとするわけです。
その親切心が、かえって花火や星空の美しさを消してしまっているのです。
調整なしで撮ると、こうなった
これは、先日の花火大会で実際に撮った一枚です。
iPhone純正のカメラアプリで、特に調整をせず、そのまま撮影しました。

夜空のはずなのに、色褪せた紺色になってしまっています。
花火の煙まで、はっきり見えてしまっていますよね。
肉眼で見たときよりも、かなりぼんやりした印象です。
「露出」という設定をいじってみる
これをもっとキレイに撮るために、ある設定を調整します。
それが「露出」という機能です。
露出とは、カメラがどれくらいの光を取り込んで、画面の明るさを決めるかという調整のこと。
数値を上げれば画面は明るくなり、下げれば画面は暗くなります。
カメラが自動で判断している「明るさの匙加減」を、自分の手で決め直せる機能だと思ってください。
今回のような夜景・花火のケースでは、この露出を目一杯下げます。
カメラが勝手に明るく調整してしまわないように、あらかじめ抑え込んでおくイメージです。
iPhoneのカメラアプリでは、この数値をマイナス2まで下げることができます。


操作自体は、とてもシンプルです。
カメラを起動して画面をタップすると、太陽のマークが表示されます。
そのマークを指で下にスライドさせるだけで、露出を下げることができます。
数値を意識しなくても、画面を見ながら「暗くなってきたな」というところで指を止めれば大丈夫です。
難しい専門知識がなくても、直感的に操作できるのが嬉しいポイントです。
漆黒の夜空に、花火がくっきり映った
この状態で、あらためて花火を撮ってみます。

いかがでしょうか。
漆黒の夜空に、花火がくっきりと浮かび上がりました。
調整前の写真と比べると、その差は一目瞭然だと思います。
型落ちのカメラでも、ここまで変わる
ちなみに、今回使ったのはiPhoneの中でも、カメラ機能が強くないiPhone SEです。
最新の高性能なカメラでなくても、これだけの違いが出ます。
大事なのは、機材の性能よりも、ちょっとした設定の知識。
これを知っているかどうかで、仕上がりはまったく変わってくるのです。
最新機種に買い替えなくても、今持っているスマホで十分キレイな写真は撮れます。
「うちのスマホは古いから」と諦めていた方こそ、一度試してみてほしいと思います。
高い機材より、ちょっとした知識のほうが、写真の仕上がりを左右することは意外と多いものです。
なお、アンドロイド機種でも、同じように露出を調整する機能が備わっています。
機種によって操作方法は多少異なりますが、探してみればきっと見つかります。
夏の思い出をキレイに残す、ちょっとしたコツとして、ぜひ覚えておいてください。
おまけ:白い壁の前では、逆に明るくする
最後に、露出に関するもうひとつのコツをお伝えします。
今回とは逆のパターン、白い壁の前で写真を撮る場合の話です。
白い壁は光をたくさん反射するので、カメラが「光が多い」と判断し、画面全体を暗く調整してしまいます。
結果、人の顔まで暗く沈んでしまうことがあるのです。
こんなときは、露出をプラスの方向に振ってみてください。
肌の明るさがちょうど良くなり、表情もぐっと明るく写ります。
同じような現象は、雪景色やビーチなど、白っぽい背景の場所全般で起こります。
真っ白な雪の前で撮ったのに、なぜか顔が暗く沈んでしまう。
そんな経験がある方は、次からぜひ露出をプラスに振ってみてください。
暗いときはマイナス、明るすぎるときはプラス。
この基本さえ覚えておけば、スマホ写真の仕上がりは大きく変わります。
特別な機材を買わなくても、指先ひとつでできる工夫。
ぜひ、次の撮影から試してみてください。