先日、中学1年生の息子が、丸めた画用紙を抱えて学校から帰ってきました。
どうやら、夏休みの宿題らしいのです。
美術の先生が書いたという、課題の説明用紙もついていました。
実はこの宿題、「写真が上手い人」の共通点を思い出させてくれる内容だったのです。
「風景画は構図が命です!」という課題
その説明用紙には、こう書かれていました。
「郷土愛あふれる埼玉県の風景の絵を描いてください」
「観光地など有名な場所でも良いし、家の近くの日常の景色でも可」
「ただし構図を意識して描くように。風景画は構図が命です!」
これを読んで、カメラマンの僕は思わず反応してしまいました。
「まさにその通り!」と、心の中で拍手喝采。
写真も絵も、構図がすべてを決めると言ってもいいくらいだからです。
息子に構図を語り始めた父、見事に煙たがられる
嬉しくなった僕は、つい息子につかまえて語り始めてしまいました。
「三分割構図って知ってる?」
「地平線の位置ひとつで、印象が全然変わるんだよ」
「近くのものと遠くのものを両方入れると奥行きが出てね」
我ながら、なかなか熱いレクチャーだったと思います。
ところが、当の息子はというと。
「あ、はい」「へー」「そうなんだ」と、見事な生返事のオンパレード。
目線はスマホから一切離れませんでした。
彼にとって、これはただの夏休みのノルマ。
父親のありがたい構図講座など、右から左です。
理屈っぽく語り出す父親ほど、うざったいものはないのでしょう。
かつて自分も、親の話をこうやって聞き流していたはずなのに。
気づけば、すっかり煙たがられる側に回っていました。
スマホ写真、姿勢を見れば「本気度」が分かる
さて、ここからは大人の写真の話です。
日常のスマホ撮影を見ていると、面白いことに気づきます。
写真にあまり興味のない人は、たいてい片手でスマホを構え、棒立ちのまま撮ります。
その結果、写真はいつも自分の目線の高さから撮ったものばかり。
悪くはないのですが、どれも似たような一枚になりがちです。
一方、撮るのが上手い人や、写真が好きな人は違います。
光の向きを気にして、立ち位置を指示する。
背景を整理するために、かがんだり中腰になったりする。
逆に、高いところに登ってカメラを構えることもあります。
とにかく、試行錯誤を惜しまないのです。
同じスマホなのに、あの人が撮るとなぜかカッコいい写真になる。
その理由は、まさにここにあります。
写す瞬間より前の、姿勢や工夫の差なのです。
例えば、逆光の中で人物を撮りたいとき。
興味のない人は、そのまま光に向かって構えて、顔が真っ暗な一枚を量産します。
一方、慣れた人は自然と立ち位置を変え、光を後ろや斜めに回してから構えます。
背景に電柱や看板が入り込んでいないか、目を配るのも同じです。
シャッターを押す前の、ほんの数秒の観察力。
その差が、そのまま仕上がりの差になっていくのです。
「おやおや?」だった、あの日の一枚
以前、家族で花畑に出かけたときのことです。
近くに、僕と同じくらいの機材を持った方がいたので、思い切って声をかけてみました。
「よろしければ、家族写真を撮っていただけませんか」と。
せっかくなので、自分のカメラを託して撮影をお願いしました。
機材は申し分ない、期待は高まる一方です。
ところが、帰宅して写真を確認してみると。
「おやおや?」という、なんとも言えない一枚が出来上がっていました。
このとき、あらためて実感したのです。
いい機材を持っていれば、いい写真が撮れるわけではない、と。
大事なのは、機材ではなく腕なのです。
良い包丁があっても、三枚おろしは上手くならない
これは、料理にたとえると分かりやすいかもしれません。
良い包丁を手に入れたからといって、誰もが美しい三枚おろしをできるわけではないですよね。
包丁の切れ味を活かすには、それなりの技術と経験が必要です。
写真もまったく同じ。
プロのカメラマンは、構図や光のセオリーを学びます。
他の人が撮った写真を研究し、良い写真の理由を分析します。
そして何より、実際に数えきれないほどの試行錯誤と場数を踏んでいます。
さらに、カメラという機材そのものを使いこなす技術力も必要です。
その積み重ねの先に、ようやく「プロ」と呼べる仕事が生まれます。
鍛錬した分だけ、確実に良いものが出来上がる。
これは、写真の世界でも変わらない真理なのです。
料理人が何百回と三枚おろしを繰り返して、無駄のない手さばきを身につけるように。
カメラマンも、何百枚、何千枚とシャッターを切って、失敗から学んでいきます。
「この光ならこう構える」「この背景ならこう立たせる」。
そうした判断が、体に染みつくまで繰り返す。
華やかに見える一枚の裏には、そうした地道な鍛錬が積み重なっているのです。
ウェブの写真は、メッセージを補強するためにある
ここからは、僕たちコモウェブの仕事の話につなげます。
ウェブサイトに載せる写真は、ただ「それらしく見える一枚」であればいいわけではありません。
なんとなく良さそうな写真を、なんとなく空いているスペースに嵌め込む。
残念ながら、そういうサイトを見かけることも少なくありません。
コモウェブでは、ウェブのレイアウト設計と、写真のディレクションを同時に行っています。
このサイトで伝えたいメッセージは何か。
そのメッセージを、どんな構図や光、表情の写真が最も補強してくれるか。
そこまで考えて、撮影を組み立てるのです。
伝えたい言葉と、それを支える写真。
この2つがかみ合ったとき、サイト全体の説得力は大きく変わります。
例えば、「安心して任せられる会社」と伝えたいページに、暗くて硬い表情の写真が載っていたらどうでしょう。
言葉と写真が、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。
逆に、スタッフの自然な笑顔や、丁寧に手を動かす様子を写した一枚があれば、言葉の説得力はぐっと増します。
写真は、単なる飾りではありません。
文章だけでは伝えきれない空気感を、一瞬で伝える力を持っているのです。
僕自身も撮りますが、頼れる手駒もあります
僕自身も、カメラマンとして現場に立ちます。
ただ、案件の内容やご希望によっては、常にセンスを磨き続けている熟練のカメラマンを手配することも可能です。
「うちの会社らしさを、ちゃんと写真で伝えたい」
「なんとなく撮った写真ではなく、意図を持った一枚にしたい」
そんなご要望に、構図と工夫でお応えします。
息子には煙たがられてしまった構図の話ですが、仕事となれば話は別です。
その一枚が持つ力を、しっかりと発揮させてみせます。
いつか息子が、あの宿題の絵を仕上げる頃。
「構図が命です」という先生の言葉の意味を、少しは実感してくれるでしょうか。
父親のうんちくは聞き流されても、先生の言葉なら届くかもしれません。
そう思うと、少し悔しいような、ほっとするような気持ちになります。
会社案内やサービス紹介に使っている写真、なんとなく選んでいませんか?
その一枚が、あなたの会社のメッセージをちゃんと補強できているか、見直してみる価値があります。
コモウェブでは、ウェブサイトの制作と合わせて、メッセージを伝える写真撮影・フォトディレクションを承っています。
「良い写真を撮りたいけれど、何をどう頼めばいいか分からない」。
そんな段階でも、まったく問題ありません。
まずはお気軽に、お声がけください。