お知らせ

説明を減らすほど、欲しくなる

以前、ECサイトのコンテンツ制作を依頼いただいたときのことです。
商品は、子ども向けのダンボール工作キット。

組み立て手順や対象年齢といったスペックも、もちろん大切な情報です。
ただ、このときページ構成の軸に据えたのは、別のところでした。
子どもたちが夢中で工作しているシーン、完成品を手に笑顔で遊んでいる写真。
そういった「使っている場面」を、ページの入口に置くことにしました。

買う人の気持ちは、スペックより先にある

商品を見て「欲しい」と思う前に、人は無意識に「自分に関係があるかどうか」を判断しています。
食べ物なら「食べたい場面を想像できるか」、服なら「自分が着たら似合うか」、道具なら「実際に使えそうか」。
その想像が生まれた瞬間に初めて、スペックや価格を真剣に確認する気持ちになります。

このキットを購入するのは子どもではなく、親です。
親がこのキットを買う動機を考えたとき、答えはシンプルでした。
子どもに楽しく遊んでほしい、という気持ち。

ならば最初に見せるべきは、楽しそうに工作する子どもの姿です。
耐久性や部品の数より先に、「うちの子もこんな顔をしてくれるかも」という想像が生まれれば、購入への気持ちは自然に動き始めます。

実際、このページは売上も良く、「楽しく遊べそうだと思って購入した」という声もいただきました。
スペックは、気持ちが動いたあとに読んでもらえれば十分です。

逆に、気持ちより先にスペックを並べてしまうとどうなるか。
「良い製品なのかもしれない。でも、自分には関係ないかも」。
そう感じた瞬間に、見た人はページを閉じてしまいます。
情報の内容より先に、受け取る順番の問題です。

作り手ほど、スペックを前面に出してしまう

中小のメーカーや職人さんが、自社製品のエンド向け販売を始めるとき、よく見るパターンがあります。
使用素材へのこだわり、製造工程の丁寧さ、品質を裏づけるデータ。
情熱を持って製品づくりをすること自体は、本当にすばらしいことです。

ただ、それを最初から全面に出してしまうと、見た人が「自分ごと」として受け取る前に離脱してしまいます。

「これは自分に関係のある商品だ」と感じてもらうことが、何より先に来ることです。
その感覚が生まれてはじめて、スペック情報も製品開発ストーリーも、読んでもらえます。

実はこういった「視点のズレ」は、長く製品と向き合ってきた人ほど気づきにくいものでもあります。
日常的に製品を使い、改良を重ねてきた作り手にとって、スペックは「当たり前の前提」になっています。
でも、初めてそのページを訪れる人にとっては、「これは自分に関係があるのか」という判断が最初に来るのです。
伝えたいことが多いほど、見せる順番の設計が重要になります。

写真は、言葉より先に情報を届ける

写真1枚の情報量は、文字だけに比べて1000倍とも言われています。
「百聞は一見にしかず」をそのまま数値化したようなものです。

人間の脳は、視覚から入る情報を特別に高速に処理できる構造になっています。
目から入った映像は瞬時に大まかな情報として認識されると言われており、テキストを読み解くのとは次元の違う速さです。
だからこそ、「いい感じがする」「なんかいや」という直感的な判断の多くは、視覚から来ています。

「楽しそう」「おいしそう」「使いやすそう」という印象は、言葉を読む前に届きます。
写真は説明文より先に、見た人の頭の中に情景を作り出します。

子どもが笑顔で工作キットを組み立てている写真が1枚あるだけで、「うちの子にも」という想像は自然に生まれます。
説明文を書く前に、まず写真で気持ちを動かす。
これが、読んでもらえるページに共通する入口の作り方です。

逆に言えば、写真を適当に選んでしまうと、レイアウトにどれだけ工夫を加えても伝わり方に限界が出ます。
「どんな写真を使うか」は、ページ全体の設計に関わる重要な判断です。

「商品の写真」と「使う場面の写真」は別物

よい写真というと、「きれいに撮れている」「明るくて鮮明」といった品質面を思い浮かべる方が多いと思います。
もちろんそれは大切ですが、ウェブや販促物で使う写真には、もうひとつの役割があります。

それは、見た人に「自分が使っている場面」を想像させること。

商品単体を白い背景の前で撮った写真は、形や色を正確に伝えるのに向いています。
ですがそれだけでは、「これを使ったら自分の生活がどう変わるか」は伝わりにくいのです。

実際に手に持っている写真、使用中のシーン、使った後の状態を写したカット。
そういった写真が加わることで、見た人は「自分がそれを使う姿」をイメージしやすくなります。
そのイメージが、購入の気持ちに直接つながります。

意識しておきたいのは、この2種類の写真です。
スペックを正確に伝える写真と、使う場面を想像させる写真。
この両方を揃えることが、ページの完成度を高めます。

どんな写真が必要かを、撮影前に整理する

ウェブページや販促物を制作するとき、手元にある写真をそのまま使う場面は少なくありません。
ただ、「何を伝えたいか」から逆算すると、必要な写真の種類はおのずと決まってきます。

まずは「誰に向けた商品か」を整理し、その人が最も響くシーンを想定してみてください。
子ども向けなら遊んでいる様子、食品なら食卓のシーン、ビジネスツールなら仕事中の場面。
ターゲットが具体的になるほど、必要な写真も具体的になります。

どんなシチュエーションで撮るか、誰を被写体にするか、背景や光の方向をどうするか。
これらは、撮影前に「見た人に何を想像させたいか」を整理することで、初めて具体的になります。

制作の段階で写真の方向性を決めておくことで、「この写真では伝わらない」と後から撮り直しになるロスも減ります。
写真は「ページに貼る素材」ではなく、伝えるための「設計の一部」と考えることが、うまく機能するページの共通点です。

撮影からご相談いただけます

コモウェブでは、ページの情報整理やレイアウト制作だけでなく、写真撮影からご相談いただけます。
「どんな写真を撮ればいいかわからない」という段階でも、何を伝えたいかを一緒に整理するところから始められます。

見た人に想像させるための写真とページを、最初から一緒に設計します。
撮影から制作・公開までをまとめてお任せいただくことも可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

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