弱みを笑い話にできる人ほど信頼される
自分の弱い部分を、オープンにできていますか。
若い頃の私は、これがまったくできませんでした。
突っ込まれそうな弱点を必死で隠し、強い人間ぶっていた黒歴史。
今日はそれを自虐込みで振り返りながら、ウェブでの情報発信にもつながる話を。
球技が苦手だった小学生時代
小学生の頃、私は球技がとにかく苦手でした。
ドッジボールでは、真っ先に当てられるタイプ。
サッカーをしてもボールが足元に来ません。
野球をすれば外野でぼーっと立っているだけの存在。
休み時間、みんなが校庭でボール遊びをする中、私は教室にこもっていました。
ただし、ただ閉じこもっていたわけではありません。
オタク話を熱く語り、「俺は文化人だから」という雰囲気を漂わせる作戦。
今思えば、教養レベルが高いふりをした、ただの逃げ。
「ボールで遊ぶより本の話ができる方が高度なんだぜ」みたいな顔をしていました。
痛い。
痛すぎる小学生。
本当はキャッチボールに混ぜてもらいたい気持ちが、心の奥にあったはずなのに。
変なプライドが邪魔をして、声をかけられないままチャイムが鳴る毎日でした。
当時の自分にそっと言ってあげたいです。
「君、それただ苦手なだけだよ」と。
「文化人ぶっても、ボールが怖いのはみんなにバレてるよ」と。
給食を残しながらグルメぶった中学生時代
中学生になっても、私の見栄っ張りは止まりませんでした。
今度のテーマは、食。
私はもともと小食で、たくさん食べるのが苦手だったのです。
ところが、私が子どもの頃は「男はたくさん食べてこそ」という風潮が強い時代。
給食を残せば「男らしくない」と言われる空気が、たしかにありました。
その指摘が、嫌で嫌でたまりませんでした。
でも、食べられないものは食べられません。
そこで思いついたのが、「グルメぶる」という奇策。
「このおかず、ちょっと味が濃すぎて」
「このパン、もうちょっと焼きが甘い方が好みなんだよね」
「給食センター、出汁の使い方がもうひと工夫ほしいかな」
中学生がですよ。
給食をですよ。
評論してたんですよ。
恥ずかしさで穴に入りたい気分。
というか、すでに穴の奥深くまで潜っています。
弱点を隠す努力は、たいてい裏目に出る
今になって思うのは、「あの努力、全部ムダだったな」ということ。
球技が苦手なら「苦手だから一緒に練習させて」と言えば良かった。
小食なら「ごめん、食べきれないから少なめでお願い」と言えば良かった。
それだけのことだったのです。
弱点を隠そうとすると、ありえないところでエネルギーを使います。
本来の力は、得意なことを伸ばしたり、好きなことを楽しんだりすることに使うべきもの。
変な見栄に消費されるのは、本当にもったいない話だと思います。
しかも、隠していると周りはサポートしてくれません。
「あいつは大丈夫そうだ」と思われてしまうから。
弱みを見せた人にだけ、手は差し伸べられるのだと、今ならわかります。
弱みを笑い話にできると、人付き合いは変わる
大人になってから、ようやくこのことに気づきました。
弱い部分を隠さず、むしろ笑い話としてオープンにしてみる。
それだけで、人付き合いは格段にラクになります。
「実は球技がてんでダメで」と言えば、「俺もだよ」と仲間ができる。
「小食で困ってて」と言えば、「じゃあシェアしよ」と気を使ってもらえる。
弱みを認めるのは、自分を下げることではありません。
むしろ、信頼してもらうための入り口。
完璧そうな人より、隙のある人の方が応援したくなるものです。
そして気づくのは、弱みを開示すると、相手も自分の弱みを話してくれること。
お互いに鎧を脱げた状態の会話は、深さがまったく違います。
仕事の相談も、本音のところまでスッと届くようになりました。
これは私自身、フリーランスになってから何度も実感している変化です。
ウェブの情報発信でも、まったく同じ法則
ここからが、本題。
実は、ウェブでの情報発信でも、同じ法則が働きます。
「うちはこれが得意です」「あれもできます」「これもできます」。
こうした「全部できます」アピール。
かえって伝わらないことが多いのです。
何でもできる人は、何の専門家にも見えないから。
逆に、「これは苦手なので、ご相談はちょっと」と書く。
「この領域は他の専門家をご紹介します」とはっきり書く。
すると、できる分野の専門性が一気に際立ちます。
「ここに強い人なんだ」と認識される構造です。
例えば、ウェブ制作会社のサイトで「動画編集は対応していません」と書いてあったとします。
読み手は「あ、ここはサイト制作に集中している会社なんだな」と感じます。
逆に「動画もイラストもロゴも、なんでも対応!」と書かれていたら、どうでしょう。
「本当に全部できるの?」と、かえって疑問が湧いてしまうものです。
飲食店でも同じこと。
「うちはラーメンしか出しません」というお店の方が、専門性を感じませんか。
メニューが多すぎるお店より、看板メニュー一本に絞った店の方が、つい入ってみたくなるものです。
弱点をオープンにすることで、強みが浮き彫りになる。
ウェブ制作の現場でも、何度も実感してきました。
ただし、出し方には注意も必要
とはいえ、何でもかんでもオープンにすれば良いわけではありません。
弱点を出すことで、かえって信頼を損なうケースもあります。
例えば、業務に直結する致命的な弱点を、何の根拠もなくさらけ出すのは逆効果。
顧客が不安になり、依頼を躊躇する原因になる可能性が高いです。
「納期は守れないことが多いです」と書いたら、誰も発注しません。
「価格は他社より高めです」も、根拠なく書けば離脱の原因にしかなりません。
ただし「価格は高めですが、その分こういう手厚いサポートをしています」なら話は別。
理由とセットなら、強みに反転させられるのです。
出し方、タイミング、文脈。
このあたりの設計こそが、情報発信の腕の見せ所。
弱点をどう「魅力」に変換するかが、勝負どころなのです。
そして、これがけっこう難しい。
企業の中にいると、自社のことを顧客目線で見るのは意外とハードルが高いものです。
「これは強み」「これは弱み」の判断が、どうしても内側の視点に寄ってしまいがち。
気がつくと、お客様にとって本当に響くポイントを見落としてしまうこともあります。
第三者の目を借りるという選択肢
ウェブでの情報発信、どこをオープンにして、どこを伏せるか。
判断に迷うときは、第三者の視点が役に立ちます。
社外の人間が見ると、隠していた弱点が実は強みだった、ということもよくある話。
「うちは小さい会社なので」とコンプレックスに感じていた要素が、お客様から見ると「小回りが利いて頼みやすい」という強みになっていたり。
「対応エリアが狭くて」と気にしていたら、「地域密着で安心」と評価されていたり。
内側からは弱みに見えても、外側からは強みに映ることがあるのです。
コモウェブでは、ウェブ制作のご相談だけでなく、こうした「打ち出し方」の整理もご一緒に考えます。
「うちの強みって何だっけ?」
「サイトで何を打ち出せばいいの?」
そんな漠然としたお悩みでも、まったく問題ありません。
弱みを抱えたままで構わないので、まずは気軽に話しかけてみてください。
お話を伺いながら、貴社らしい情報発信のかたちを一緒に見つけていきましょう。