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広く誰にでも届く言葉を選んでいたつもりが、誰にも刺さっていなかった

ウェブ制作の打ち合わせに伺うと、想定外の言葉を耳にすることがあります。
「いや、うちはまだそこまでアピールできる規模じゃないから」
「同業の〇〇さんを差し置いてそんなメッセージを発信したら、失笑モノだよ」

悪気があっての言葉ではありません。
むしろ謙虚さや業界内のバランス感覚から出てくることが多いのです。
ただ、そのたびに同じ問いが浮かびます。
——そのホームページは、誰に見てもらうために作るのでしょうか。

打ち合わせで感じること

打ち合わせの場所は、相手の事務所だったり、近くのカフェだったり、最近はオンラインだったりします。
どんな形であれ、初回の打ち合わせには独特の緊張感があります。
何を作りたいのか、どんな人に届けたいのか。
そこを一緒に整理していく場所です。

ただ、話が進むにつれて、自社のことを語る言葉が急に小さくなる場面があります。
「こういう強みがある」と言いかけて、「でも〇〇さんの方がもっとやってるしな」と引っ込める。
「こんな人に届けたい」と言いかけて、「まだそんなことを言える段階じゃない」と控える。

その瞬間に、頭の中に誰が浮かんでいるかが見えてきます。
顧客の顔ではなく、同業者の顔です。

そのホームページを見るのは、誰ですか

ホームページを訪れる人の多くは、何か困ったことや解決したいことを持ってやってきます。
「こういうサービスを探しているけど、どこに頼めばいいかわからない」
「以前の業者に不満があって、別のところを探している」
「急にこういう状況になって、今すぐ相談できるところを探している」
そういう人が、検索をたどって画面を開きます。

彼らが気にしているのは、「このサービスが自分の状況に合っているかどうか」です。
同業他社の〇〇さんとの関係性も、業界内での序列も、顧客には見えていません。
そもそも、そんなことを調べるつもりもありません。

「まだ規模が小さい」「まだ実績が少ない」という話も、顧客の判断基準とは別の話です。
大手か中小かよりも、「自分の状況をわかってくれているか」の方が大切な場合もよくあります。
顧客はただ、自分の困りごとに応えてくれるかどうかを見ています。

ライバルとの関係は、顧客には見えていない

「〇〇さんを差し置いて」という言葉が出てくるとき、頭の中にいる「見ている相手」が同業者になっています。
業界の中での立ち位置が気になるほど、ライバルの反応が先に浮かんでくるのです。

気持ちはよくわかります。
同じ地域で同じ仕事をしていれば、意識しないほうが難しいこともあります。
ただ、ライバル企業の社員がページを読んで問い合わせてくることはありません。
ページが向くべき相手は、あくまでサービスを必要としている人です。

業界内の文脈や暗黙のルールは、外の人間には見えていないものです。
「まだ言える立場ではない」と感じるその感覚も、業界内の視点から生まれています。
その視点ごと一度脇に置いて、顧客の目線で考えてみることが大切です。

同業者の評価は、営業や日々の仕事の中で積み上げていくものです。
ホームページで気を遣う相手ではありません。

消極的な言葉が積み重なると起きること

打ち合わせの中で消極性が固まると、原稿に影響が出てきます。
当たり障りのない言葉ばかりが並んで、読んでいても何も伝わらないページになることがあります。

「幅広いニーズに対応しています」
「丁寧な対応を心がけています」
「お気軽にご相談ください」

これらは悪い言葉ではありません。
ただ、同じような文章はほかのサイトにもあふれていて、記憶にも残りにくい。
顧客の立場で読んでも、「で、自分の状況に合うのか」という問いへの答えが見えてきません。

顧客は複数のサービスを比べながら選んでいます。
その比較に使う情報は、各社のホームページに書いてある言葉です。
言葉が薄ければ、比較の土台にも乗れません。

「控えめにしよう」「目立ちすぎないようにしよう」という判断のひとつひとつが、ページ全体を薄くしていきます。
遠慮の積み重ねが、機会の損失につながっていることがあるのです。

外から見ると、「それ言っていいんですよ」は多い

原稿づくりを一緒に進めていくと、よくある場面があります。
「これはさすがに大げさかな」と本人が遠慮していたことが、外から見ると普通に言っていい強みだった、というケースです。

たとえば、長年かけてきた特定の工程へのこだわり。
他社では断られがちな対応を、当たり前にやっていること。
初回の連絡から対応までのスピード感。
こうしたことは、業界に長くいると「うちだけじゃない」と思いがちです。
ただ、顧客から見れば十分な判断材料になることがあります。

逆に、「これを強みとして書いた方がいい」と提案しても、「でも〇〇さんの方がもっとやっているから」と引いてしまうこともあります。
その見えないライバルが、一番伝えたい顧客へのメッセージを弱めています。
顧客はそのライバルとの比較情報を持っていないのに、作り手側だけが遠慮しているのです。

自社のサービスを客観的に言葉にするのは、意外に難しいことです。
近くにいすぎると、当たり前に見えてしまうものほど、外の目には価値があります。

原稿の段階からご相談ください

ホームページを作る際、デザインやコーディングの前に、何を伝えるかが土台になります。
その土台が整っていないと、見た目をどれだけ整えても成果につながりにくくなります。

原稿の段階から一緒に考えると、ライバルではなく顧客の視点から言葉を組み立てることができます。
「うちはまだ言える立場ではない」と思っている内容でも、伝え方を変えると届き方が変わることがあります。

すでにホームページがある方の見直しにも対応しています。
全部を作り直すことなく、言葉の選び方や順番を整えるだけで、伝わり方が変わることも多いです。

まず現状のページが誰に向けて書かれているかを、一緒に確認してみましょう。

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