昔からずっと僕はMacユーザーで、仕事でもプライベートでも中心はずっとMacでした。
そのせいもあってか、長いあいだメインの機種はほとんど変わっていません。
きっかけは、イラストレーターを仕事に使っていたデザイナーの友人でした。
当時はコンピューターでデザインをするならMac一択だ、と言われている空気があり、その友人がブラウン管のiMacを買ったのをはっきり覚えています。
半透明のカラフルな筐体に、でっかいブラウン管が収まっていて見た目は強烈で、部屋に置くとパソコンというより家具に近い存在感がありました。
僕は当時バンド活動をしていて、曲のネタを録音したりライブのチラシを作ったりする必要があったので、流れとしては自然に友人と同じiMacを購入しました。
ライブの日付と会場名を並べただけの素朴なチラシから少しずつ体裁を整えていったのですが、いま振り返るとそれもウェブの入り口の練習になっていたのかもしれません。
スタジオに持ち込むわけではありませんでしたが、自宅での作業は一気に「制作っぽく」なった感覚がありました。
印刷に出す前の画面の明るさと、完成した紙の手触りのギャップに一喜一憂した記憶も残っています。
「これで制作もバッチリだ」とワクワクしたのは、今でも思い出します。
デザインに必要な知識は、これだ!
ある日、友人は意気軒昂な様子で、Macでデザインをやるならこの知識が必要なんだ、と手にしていた本をちょっと見せてくれました。
「これはパソコンで絵を描くための参考書だ!」と。
ページをめくるとイラストもデザインの図解もほとんどなく、文字ばかりが並んでいて内容は頭にまったく入ってきません。
見出しの字体は整っていてむしろ雑誌のように整然としているのに意味が追えず、当時の僕にとっては宇宙語のマニュアルに見えたのです。
「うん、たしかにすごそうだな……」と表面上は頷きながら、心の中では完全にスルーしていました。
というのも、デザインの本ならもっとビジュアルが躍っているはずだと思っていたからです。
結果として、本人も中身は曖昧なままテンションだけが高く、僕の理解度は地面すれすれを這っていました。
オチは、HTMLタグの事典でした
後からわかったのですが、あれはデザインの本ではなく、HTMLタグを辞書のように並べたいわゆるリファレンス本でした。
友人もその本の内容をちゃんと把握しておらず、先輩に勧められるまま買った1冊だったそうです。
僕の目にはやはり「タグ」だらけの謎の一覧にしか見えず、当時は縁のない世界の話に思えていました。
本人もよくわからないまま意気込んで「これで俺はイラストレーターとして生きていく!」と紹介してくれたのに、中身はまさかのマークアップ言語だったわけです。
デザインの話だと思って近づいたらコードの話だった、そのズレがタイムラグつきで判明するパターンです。
友人に悪気はなかったはずなのですが、勧めた先輩の意図まではわかりません。
それでも素人の目には別ジャンルに見えてしまう、お笑いみたいな話でもあります。
ホームページが必要になって、本は急に「自分のもの」になった
時が経って自分のバンドのホームページが必要になり、曲の試聴やライブ情報を載せたいというごく普通の動機が重なったころ、ふとあの本の存在を思い出しました。
「これは俺に必要な本だ」と感じたので、友人宅の本棚の奥で眠っていたそれを事実上ひっぱってきたのが僕のウェブ制作の第一歩でした。
そうして最初は他人事だったページの羅列が、急に手がかりに変わります。
もちろん最初からうまくいったわけではなく、タグをなぞっても表示が崩れたり文字化けしたりと、今思えば当たり前の試行錯誤の連続でした。
それでも「調べれば戻れる」感覚がついたのは、あの本がそばにあったからだと思います。
公開できた瞬間の高揚は、小さなライブで新曲が通ったときに近く、はっきり覚えています。
自分に関係ないと思っていたことが状況が変わると武器になる、そんな経験はほかにも転がっているのかもしれません。
知識というより、縁の下の小さな接点があとから一本の線になってつながる感じです。
いまは当時より情報の入口が増え、本だけに頼らなくても学べる環境になりました。
それでも本質は同じで、いま「自分に関係ない」と思っている情報が、数年後に急に手を振っていることもあります。
そしてこの話は、個人の思い出だけで終わりません。
会社のウェブサイトにも、同じことが起きる可能性があります。
「関係ない」と思っている場所にこそ、次のヒントが眠っていることがあるからです。
営業が主役でも、サイトは「他人事」でいいのか
長年ほったらかしの自社ホームページを、「うちは営業社員の活動が主体だからサイトは関係ない」と片づけていませんか?
口説き文句としては筋が通っていますし、実際、対面で信頼を積み上げていく営業は事業の中心になり得ます。
一方で、ウェブは営業の補助線にもなりますし、初回の印象づくりの場にもなります。
可能性として、解析データを一度だけでも眺めてみると思わぬニーズが見つかる場合があります。
検索から来ているキーワード、よく読まれているページ、離脱が多い導線といった数字は、現場の声とは別の角度からヒントをくれることがあります。
たとえば想定していなかった地域名や業種の言葉が検索語に出てきたり、資料請求の前に特定のサービス紹介だけが異様に読まれていたりするケースです。
そういう「小さな偏り」が、次の打ち手の種になることは少なくありません。
もちろんすべての事業所で劇的な結果が出るとは限りませんが、それでも「自分ごと」にしておくだけで次の一手の候補が増えることはよくあります。
専門用語が多くて苦手という方こそ、数字と画面の事実から一緒に整理していくのがおすすめです。
難しい説明より先に「いま何が起きているか」を共有できれば、判断はずいぶん楽になります。
まずはウェブ診断から
必要だと感じたらリニューアルや改善の相談にもお応えしますので、まずはウェブ診断から現状を一緒に整理するところから始められます。
表示の速さ、スマホでの見え方、古い情報の残り方、さらに問い合わせにたどり着くまでの道のり。
こうした項目をチェックリストのように眺めると、改善の優先順位が見えてきます。
何が見えていて何が見えていないのか、更新が止まっている理由が「忙しいから」だけなのか、それとも役割が曖昧なのか。
そこを言葉にしておくとやるべきこととやらなくていいことが分かりやすくなり、気持ちだけが先走って手戻りが増えるパターンも減らせます。
サイトの役割がはっきりしないまま手を打つより、一度立ち止まって見える化しておく方がのちのちラクになることが多いです。
診断のあと、選択肢はいくつかに分かれます。
「とりあえず直す」「構成から見直す」「写真や文章から手を入れる」など、規模の違う道があります。
いきなり全面リニューアルが答えとは限りませんが、まずはどこがボトルネックかを共有するところからで構いません。
お気軽にご相談ください。
「うちは営業メインだから」と思っている方ほど、一度だけ状況を共有してみる価値があるケースもあります。